2015年 05月 03日
工房集展「Fundamental Ⅱ」-作品紹介⑤ 岩瀬賢美 / 土屋莉恵
【2F】




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「Untitled」    「ハナ」







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「Untitled」   「Untitled」







岩瀬賢美
岩瀬さんは2008 年から絵画を仕事とし、6 年になります。
大地( 入所施設)にはウエス・軽作業班、さをり班、書・絵画班があり、それぞれの仲間がやりたいこ
と、その仲間に合っていることを年度初めに仲間、職員と相談して選びます。
言葉でのコミュニケーションが難しい岩瀬さんは指差しや手の上げ下げでのYES/NO で意思表示をしま
す。2008 年の仕事選びでは道具を見てはっきりと「書・絵画」を自身で選択をしました。ウエスからさを
り、さをりから絵画とうつった岩瀬さん。自分を表現したいという気持ちが岩瀬さんを絵画へと導いたよ
うに思います。
絵画を始めた当初は、書・絵画班の先輩である嶋さん、関口さんの書( 習字)を書く姿を見ていたため
か、色選びで黒を選ぶことが多くありました。しばらくすると一緒に絵画を始めた土屋莉恵さんの影響も
あり、色を使うこともいいなと思ったのか、色々な色を選ぶようになりました。気分的なこともあり仕事
中に眠ってしまうこともありますが、1 度描きはじめると素晴らしい集中力を発揮し、画用紙に向かって
います。そんな岩瀬さんには“ 熱中している” という言葉がしっくりときます。
最近では職員とインターネットや本を見ながら何をテーマにするか考え、岩瀬さん自身でテーマを決めて
描いている姿も見られています。絵画を描く際は指にはめる指筆を使い、自由に筆を走らせ作品を描いて
います。
色選びやテーマ決めでは職員が出した選択肢から指差しをしたり、手をあげたり、首を振ったり、根気強
いやりとりが必要です。自分の納得のいく選択肢が出てこなかったり、気分が乗らなかったりすると返事
をしないこともあります。四肢の麻痺、硬直が強い岩瀬さんは描き始めてからもじっくりゆっくりと描き
ます。大地の仕事の時間は火曜日~金曜日の週4 日、午前中10:30 ~ 12:00 という少ない時間です。受診
などで仕事ができない日もあります。そんな中なので1 枚の絵を仕上げるのに何か月もかかってしまうこ
ともあります。そのため作品数は多くできませんが、その分しっかりと想いをこめて描いていることが岩
瀬さんの姿からは伝わってきます。
大地での生活でもマイペースで表情豊かな岩瀬さんです。絵画での色選びをするようになってから生活の
中でも選択肢を出し、指差しで職員や他の仲間とコミュニケーションをとることが増えてきました。自分の
思いを伝えたいという気持ちを具体的なやりとりに出来たことで伝わることの喜びを感じているようです。

スタッフ 島田明音









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「Untitled」(左上)    「アンパンマン」(右上)
「ひまわり」(左下)     「みち」(右下)









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「Untitled」    「たのしっ」






土屋莉恵 Rie Tsuchiya

土屋さんは2008 年から絵画の仕事を始め、6 年になります。
大地(入所施設)にはウエス・軽作業班、さをり班、書・絵画班はあり、それぞれの仲間がやりたいこと、
その仲間に合っていることを年度初めに仲間や職員と相談して選びます。すでに書の仕事をしていた
関口さんや嶋さんの影響で「興味があった」と書・絵画班を選びました( 当時は書のみ)。ただ、書では
なく、いろんな色を使って描く水彩画をやりたい、と大地で絵画を始めた第一人者です。
最初の頃は色を選んだ絵具を職員が筆につけて 土屋さんに渡していました。筆、絵具を使っての水彩画で
は職員の手助けがたくさん必要です。手の緊張が強く細かい動きが苦手な土屋さんにとっては筆をにぎる
ことが難しいという悩みもありました。他者のことを思いやることのできる優しい土屋さんは職員が他の
仲間の介助に入っていると遠慮してなかなか声をかけられないこともありました。
2011 年から土屋さんにとって頼れる存在である関谷さんが書・絵画班の仲間入りをしました。筆や絵具
の準備は関谷さんと一緒でも難しかったのですが、マジック・クレヨンの持ち替えは関谷さんのサポート
があれば職員がいなくてもできるようになりました。マジックは握りやすく自分の思うように描けない悩
みも少し解消できました。隣の席で関谷さんが絵画を描くようになってから、土屋さんから関谷さんに相
談をしている姿が見られる様になりました。関谷さんも自分が頼られていることが力になったり、土屋さ
んの一生懸命な姿を見て「自分も頑張ろう」と思えたりするそうです。お互いに支え合える良き同僚と出
会うことが出来ました。創作する際は、テーマを考えずに自由な発想で作品を描いたり、テーマを決めて
から作品を描いたりと自分で考え作品作りをすすめています。絵画を描いている土屋さんは声をかけても
気が付かない程、作品作りに集中しています。
大地での生活では自分で余暇の過ごし方を考え職員に伝えたり、翌日に着る洋服を選んだり、“ 自分で決
めること”“ 自分で伝えること” を大切にしています。言葉が出るのに時間がかかってしまったり、語彙も
多くないため想いをどのように表現したら良いか悩んでしまったりすることもあります。自分で決めて、
伝えることを目標に頑張っていても時にはモヤモヤしてしまうこともあるのではないかと思います。
そんな土屋さんにとって自由な発想で自分の好きなように描ける絵画は自分の思いを素直に表現できる
大切な時間となっているようです。

スタッフ 島田明音






工房集展「Fundamental Ⅱ」
KOBO SYU Exhibition[Fundamental Ⅱ]

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by mmfa | 2015-05-03 16:00 | 展示情報 | Comments(0)


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