2016年 04月 30日
工房集展―作品紹介① 大倉史子・尾崎翔悟

大倉 史子



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 おもにアメリカンチェリーなどの果物や食べ物を繰り返し描き、画面をびっしりと埋めていきました。よく見ると一枚一枚空間が微妙に異なっていて、書き残しの余白がとても美しい画面です。アメリカンチェリーと余白がほのぼのしていながらぴったりとはまり、個性的なレイアウトとして成立しています。
 気に入ったモティーフを反復するスタイルは今でも変わりませんが、対象となるモティーフはその時々の興味を反映し日々描くものが変化していきます。また、同じモティーフでも立体的にとらえたり、違う角度から描いたりとひとつひとつ微妙な変化をみせています。

中津川 浩章



 気に入っているモチーフを画用紙いっぱいに描き並べる大倉さん。自分の描きたい時に、描きたい場所で、描きたいモチーフを描くスタンスはこの13年間ずっと変わらない。場所に限って言えば、工房集の裏にあったレンガを自分で積み上げて、机を自作してしまうほど。よく「あれ?こんなところに、こんなものが…」と驚かされる。身近にあるものを使って、何でもユーモア溢れる“ふーちゃんワールド”にしてしまう。手にはいつも好きな人の顔写真が貼られたコラージュを肌身離さず持っていて、職員に印刷を頼んでは、また切って貼ってと。洋服にも自分で絵を描いたり、刺繍をしたりと…。表現することへの意欲はこの13年間変わらない。しかし、続けている中で「~描いた!」と周りに作品を見せて回るようになった。表現するだけでなく、それをみんなに見てほしい!展示してほしい!そんな大倉さんの姿が日々感じられる。

スタッフ 蒲生 侑希





尾崎 翔悟



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 お気に入りの楽器やコンサートホールの様子などをマーカーの独特な線で描きだしていきます。音楽が本当に好きで、楽器に魅せられ何種類もの楽器がモティーフとなっています。生命を持つ楽器は昆虫のようでもあり、奏者がいなくとも自らを奏でているかのようです。ほんの少しだけ着彩することによって、音楽の持つ拡がりと気持ちよさが優雅に表現され線と色彩が響き合います。彼が描いているのは楽器ではなくその楽器が奏でる音、さらに音楽そのものを描いているように見えます。大胆で力強い線で画面全体に表現されていた初期の作品にくらべ最近ではひとつひとつのモティーフが立体性を感じさせる描写になり、細部も丁寧に表現され余白を意識したレイアウトになり、対象への興味もますます深くなっているようです。また画面の中に彼の記憶に関係する別の画面が線遠近法を使って現れより複雑な画面構造を作り出しています。

中津川 浩章



 名前や形状だけでなく、音色も含めあらゆる楽器を知っている。小さな体をくの字に折り曲げながら画用紙に向かう。顔との距離は僅か10㎝。直線部分は定規を使い、曲線は両手でペンを握る。以前は学生時代に頂いた楽器カタログの記憶だけで描いてきたが、近年は好きな画像を週2回、独自の造語を含めプリントアウトしたものを傍らに置き、時に“エア演奏”も交え、食事も忘れるほどの集中力で仕事に向かっている。現在の作品は初期の頃とは異なり、荒々しさは影を潜め、様々な情景が唐突に現れ混在し、記号的で緻密なものへと変化した。評価は高く、海外デビューも果たしている。尾崎さんの細やかな仕事ぶりに感銘を受けた“BEAMS”のスタッフにより、革小物のコラボ商品も発売された。普段はおちゃらけキャラの人気者で、モノマネや楽器の演奏もこなす根っからのエンターテイナー。愉快な動きで楽しませ、素敵な言葉や気遣いで皆を癒している。

スタッフ 小和田 直幸
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by mmfa | 2016-04-30 11:00 | 展示情報 | Comments(0)


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