2016年 04月 30日
工房集展―作品紹介③ 西川泰弘・納田裕加

西川 泰弘



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 アボリジニのアーティストたちと共通するコスモロジーを感じさせ、点描とストロークによる装飾的で美しい色彩で成り立っている西川泰弘の絵画。『ぼくのすべて』と自ら題した作品は自然のいとなみや、拡がっていく無限の空間や植物や人間、そして彼が感動した光景などから導き出された様々な形態のイメージからなり、明るく透明感に満ちています。ポスターカラーのマーカーを使った点描に近い手法でタッチを重ね画面全体のイメージをつくっていくスタイルは変わらないものの、迷いながら描いていた頃に比べて、自分はこれしかない、これなんだ、とういう確信をもって描いているように見えます。いつも安定したクオリティの作品を生み出しています。

中津川 浩章



 「絵を描くことを仕事にしたい」と自らインターネットで調べ、工房集へやってきた。はじめのころは絵を描くどころではなく、暴れたり、外に飛び出したりたびたび不安定な状態だった。でも、大変なことはあったけど、その都度職員と話し合い、不安な気持ちを絵にぶつけることで落ち着いて過ごせる西川さんへと変わっていった。そして、「個展を開きたい」という西川さんの願いも実現できた。現在は、新しい場所アトリエ輪で「僕って幸せだよね」「みぬまに来て本当に良かった」と何度も口にしている。作品もその気持ちが伝わってくるような何だかほんわかした、やさしい色合いに感じられる。今、幸せいっぱいの西川さん。でも、その作品が以前描いていた作品のように評価されないことで少し悩んでいる西川さんもいる。

スタッフ 赤羽 幸治





納田裕加



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 納田裕加は工房集の母体である「みぬま福祉会」の創立当初からいるメンバーです。様々な仕事を体験する中で織りにめぐり合い、それを仕事として位置付け制作しています。
 さらに絵画制作にも積極的に取り組み、織り作品・絵画作品共に魅力的な作品を生みだし続けています。両方に共通しているのは特異な発想と大胆で豊かな色使いです。絵画は、一見抽象画のようですが、よく見ると日常の物事がディフォルメされ整合性なく構成されています。しかしそれが不思議な魅力を生み出しオリジナリティ溢れる絵画を生み出しています。
 織りも絵画同様に色彩感覚に優れ、素材感を生かし密度ある織り作品を作り出しています。さらに最近では織に使用する糸を使って同じダウン症の世界的アーティストであるジュディス・スコットを彷彿させる奇妙なエロティックなオブジェも制作しています。納田にとって絵画も織りもオブジェも同じように自分を表現する大切なメディアです。糸は絵具で、織り機はキャンバスでもあり筆であり、大切なスタッフとをつなぐコミュニケーションツールでもあります。最近では作品サイズもますます大きくなり、さらに刺繍作品も制作するなど納田の挑戦は留まるところがありません。

中津川 浩章



 面白いこと、周囲を笑わせることが大好きで、いつもみんなを楽しませてくれる納田さん。そんなみんなを驚かせたいという気持ちが、納田さんの作品にも表れている。
 長い間、続けてきた仕事は織り。縦糸と横糸の重なりという、ある意味単純な表現だが、糸ではないものを横糸に使ってみたり、切れ端の糸をひとつひとつ繋げて1本の糸にし、それを横糸として使ってみたりと面白い。
 絵画の活動を始めたのは7年前。他の仲間が絵画でどんどん評価されている姿を見て、「私もやってみたい!」と始めた。周りの仲間の影響から始めた活動も、初めてみれば納田さんらしさ満載の自分のものにしてしまう。今では、全紙サイズにも取り組んでいて5ヵ月以上時間をかけて完成させる。できた作品は職員や仲間、見学に来られたお客さん、みんなに見せてアピール。もう疲れたかな…と思っても、「次は何を描こうかな~」とやる気満々。納田さんの創作意欲は途切れることがない。

スタッフ 蒲生侑希
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by mmfa | 2016-04-30 15:00 | 展示情報 | Comments(0)


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