2016年 04月 30日
工房集展―作品紹介⑤ 横山明子・渡邉あや

横山 明子 



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 力強いストロークで、繰り返しグイグイと描いていく行為。その非常な集中力の中から、構成的でありながら冷たさがなく、ユーモラスな生命感に溢れている彼女の画面ができあがっていきました。以前からよく描かれたフーセンなどのモティーフは変わりませんが、主に使う画材がクレヨンやマッキーから水性ボールペンになって線を紙が破れるほど細かく繰り返し描くようになりました。空間が複雑になり何よりも画面からやさしさが感じられようになりました。

中津川 浩章



 表現活動が仕事になったきっかけの人。入所当時は人との関わりや下請け作業の仕事をとにかく拒否していた明子さん。でも「絵描いてくれる?」だけには喜んで応じてくれる。そんな明子さんの姿から「明子さんの好きなことを仕事にしよう」と、工房集の表現活動が始まりました。絵画の仕事に出会ってからの明子さんはものすごいパワーの表現欲で次々と作品を生み出していき、先駆的に風を起こしてくれました。20年経った現在では、時には食堂で給食の準備の様子をじっと眺め、時には畳の上で眠り、時には大好きな職員やメンバーにちょっかいを出して笑い・・・自分のペースで穏やかに1日を過ごしながらも、必ず絵画の仕事に向かっています。入所当時からは想像できない姿。明子さんにとって絵画の仕事はかけがえのないもの。明子さんの起こした風はみんなに広がっていき、今も吹き続けています。

スタッフ 矢野 愛美





渡邉 あや


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 飛行場に停まっている飛行機が色鉛筆により丹念に塗りこめられています。コントロールされた強い筆圧で描かれた装飾的でカラフルな世界は一見、色鉛筆で描かれたとは思えないほどの過度な密度と集中によって建築物のような構築性が感じられます。飛行場にはショップや食べ物、自動車も描かれ、さらによく見れば画面の中にまた画面があり、別な世界が現れ、時間と空間の中を行ったり来たり、現実と非現実の間を行き来する夢見の世界につながっています。
 飛行機というモティーフを見つけるまでの数年間はさまざまな試行錯誤を繰り返してきましたが、それでもあきらめずにずっと自身のスタイルを探し求めていました。そしてやっと飛行機に巡り合ってからの快進撃はご存じのとおり。飛行機を媒体としながら取り巻く世界もより多様性を獲得し画面の密度が増しています。

中津川 浩章



 あやさんと言えば、「飛行機」。でも、自分の表現を見つけるまで、さまよい、悩み、模索し続けてきた。養護学校の修学旅行で行った沖縄。「その時に乗った飛行機でまた沖縄に行きたい」という思いで、描き始めた。常に職員は一緒に悩み、励まし、寄り添ってきた。描き続けていく内に作品は緻密になり、力強くなった。やっと自分の表現に出会うことができた。
 いつも明るく元気なあやさん。でもその心の奥底には、満たされなさや寂しさがある。でも満たされない思いを、絵画にぶつけられるまでに成長した。不安や悩みに押しつぶされそうになることもあるけれど、前を向いて力強く前進している。
 あやさんの夢は、自分の作品が海外へ行くこと。そして、海外に展示された作品を、大好きな飛行機に乗って家族みんなで見に行くこと!いつかその夢が叶うといいな。

スタッフ 渡邊早葉 
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by mmfa | 2016-04-30 19:00 | 展示情報 | Comments(0)


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