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2010年 04月 03日
秋吉かずき個展「アナログ」
秋吉かずき個展「アナログ」、スタートしました。

金沢美大・美術工芸研究科修士課程彫刻専攻を、修了したばかりの秋吉さん。
小学生の時から、理科好き、実験好きの「知りたがり屋」だったとか。
それがそのまま、今の作品につながっています。

展示されているのは、電子工作と、ピンホール写真。
空間の認識、その中での自分の在り方を見つめる作品です。

搬入日に、産経新聞社の記者、篠原さんが取材に来てくださいました。
そのとき彼が話したことを紹介します。

まず、ピンホール写真については、
「デジタル全盛時代に、ダイレクトに残像が写る“現象”としての写真、
印画紙を使った技法に興味を持った。最初、四角い箱で作っていたが、
トマト缶で、カメラを作ってみた。それが大型化していって、ドラム缶に・・・。」

写真は、取材の様子。左下が作品『ドラム缶の中の写真』。
露光時間そのものは5分程度。ただ、準備は大変。ドラム缶に現像液を入れ、
暗い部屋での攪拌は大の男2人で、現像液まみれになりながらの作業に。
秋吉かずき個展「アナログ」_e0184298_1335149.jpg

ちなみに、写真奥が秋吉さん。手に持っているのがトマト缶カメラです。

そして、「ドラム缶の内側にうつる風景を覗いていると、今度は
“その中に入って、360度囲まれたらどうなるだろう”という思いに。」
その思いが、作品『環状写真』(下写真)に結実します。
秋吉かずき個展「アナログ」_e0184298_1322307.jpg


また、写真と電子工作とのつながりについては、
「最初につくったのは、幻燈機。物が、光ったり、動いたり、シルエットとなるのが、映像。
自分は、映像そのものより、映像を流す装置を作りたかった。」とのこと。
光が点滅することが映像ではないか・・・、
このアイディアが、作品『エレキ』(下写真)に。
秋吉かずき個展「アナログ」_e0184298_1895928.jpg


「便利なものを、自分でも享受しているが、それに慣れることの怖さを感じている。
意識せず使っている便利なメカに、潜んでいる荒々しい、生々しい部分を、
自分は作品で、引っ張り出したい。」と秋吉さん。

秋吉かずき個展「アナログ」は、4月13日(火)まで開催。
彼のこれまでの作品を一望できるこの機会に、お運びください。

作家weblog:http://kazukiakiyoshi.cocolog-nifty.com/

by mmfa | 2010-04-03 13:40 | 展示情報


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